お見合いやデートでは、相手に好印象を持ってもらいたいと思うのは自然なことです。
「嫌われたくない」
「少しでも気に入ってもらいたい」
「相手の希望に合わせてあげたい」
そんな気持ちから、本当は興味がないことに興味があるふりをしたり、自分の意見を言わずに相手に合わせたりしてしまうことはありませんか?
もちろん、相手への気遣いや思いやりは大切です。
でも、いつも相手に合わせてばかりでは、自分自身が疲れてしまいます。そして、無理をして作った自分を好きになってもらっても、その関係をずっと続けていくのは難しくなってしまいます。
結婚は、交際している間だけではなく、その先の長い生活を一緒に過ごしていくものです。
今回は、無理をせず自然体でいられる関係を築くための心理学、自己一致についてお話しします。
自己一致とは、心理学者カール・ロジャーズが提唱した考え方に関連する概念で、自分の本当の気持ちや考えと、実際の言動が一致している状態をいいます。
簡単に言えば、自分の気持ちに正直で、無理に自分を取り繕っていない状態です。
例えば、
本当はインドア派なのに、アウトドアが好きなふりをしない
自分の意見があるときは、相手に配慮しながら伝える
わからないことは、知ったかぶりをせずに聞く
苦手なことは、無理に得意なふりをしない
相手に合わせるだけでなく、自分の希望も伝える
こうした姿勢が自己一致につながります。
自己一致は、わがままに振る舞うことでも、自分の考えを一方的に押し通すことでもありません。
相手を尊重しながら、自分の気持ちも大切にすることです。
婚活では、相手に合わせることと、自分を偽ることを混同しないようにしたいですね。
そのため、普段よりも格好をつけたり、相手の意見に何でも賛成したり、自分をよく見せようと頑張ってしまうことがあります。
例えば、こんな会話です。
女性:「休日はどんなふうに過ごすことが多いですか?」
男性:「そうですね。旅行に行ったり、アウトドアを楽しんだりしています」
実際には、休日のほとんどを家でゆっくり過ごしているのに、相手に合わせて答えてしまったとします。
その場では好印象になるかもしれません。
でも、交際が進んで「今度、一緒にキャンプに行きましょう!」となったらどうでしょうか。
本当は苦手なのに、断りづらくなってしまいますよね。
それなら、最初からこんなふうに答えてみてはどうでしょう。
男性:「休日は家でゆっくり過ごすことが多いですね。映画を見たり、のんびりしたりするのが好きです。ただ、旅行に出かけるのも嫌いではないですよ」
こちらのほうが、ずっと自然です。
相手に合わせて自分を変えるのではなく、自分のことを正直に伝えたうえで、お互いの違いを知っていく。
それが結婚相手を見つけるための大切なプロセスなのです。
婚活では、優しさや気遣いから、つい相手に合わせすぎてしまう男性もいます。
例えば、こんなことはありませんか?
女性:「私は旅行が好きなんです」
男性:「いいですね!僕も旅行好きです」
女性:「休日は外に出かけたいタイプなんです」
男性:「僕もそうですね。どこでも大丈夫です」
相手に合わせようとするあまり、自分の本当の好みや考えが見えなくなってしまいます。
相手からすると、「この人はどんな人なんだろう?」「本当はどう思っているんだろう?」と感じてしまうかもしれません。
デートの場所や食事のお店を決めるとき、いつも相手の希望に合わせてしまう。
自分は違う意見を持っていても、「反対したら嫌われるかもしれない」と考えて言い出せない。
でも、結婚生活では、二人で相談して決めていくことがたくさんあります。
自分の意見を伝えることも、相手との関係を築くうえで必要なことです。
収入や仕事、趣味、休日の過ごし方など、本当の自分よりも少しよく見せようとしてしまう。
最初は小さなことでも、交際が続くうちに話のつじつまを合わせるのが大変になることがあります。
結婚を考える相手だからこそ、最初から無理をしすぎないことが大切です。
相手の好きなことに付き合い、相手の都合に合わせ、相手の希望を優先する。
それ自体は思いやりですが、いつも自分だけが我慢していると、次第に疲れや不満がたまってしまいます。
相手を大切にすることと、自分を犠牲にすることは違います。
では、自然体で相手と向き合える男性は、どんなことを意識しているのでしょうか。
自分の趣味や休日の過ごし方、好きな食べ物など、日常の何気ないことを自然に話しています。
例えば、
「休日は家でゆっくりすることが多いです。でも、たまには出かけるのも好きですよ」
「辛いものは少し苦手なんですが、おいしいお店を探すのは好きです」
このように、自分のことを素直に伝えると、相手も自分のことを話しやすくなります。
自分と相手の好みや考え方が違っていても、すぐに否定したり、無理に合わせたりしません。
例えば、
女性:「私は休日は外に出かけたいタイプなんです」
男性:「そうなんですね。僕はどちらかというと家でゆっくりするのが好きなんですが、出かけるのもいいですね。どんなところに行くのが好きなんですか?」
違いがあることを受け入れ、相手のことを知ろうとする姿勢が大切です。
違いがあるからこそ、お互いの世界が広がることもあります。
例えば、デートのお店を決めるとき、
「何でも大丈夫ですよ」
だけではなく、
「僕は和食が好きなんですが、よかったら和食のお店はどうですか?」
と伝えてみる。
自分の希望を伝えることは、相手に負担をかけることではありません。
相手も自分の希望を伝えやすくなり、二人で一緒に決めていくことができます。
相手に気に入ってもらうことばかり考えていると、どうしても自分の言動がぎこちなくなってしまいます。
大切なのは、「相手に選んでもらえるか」だけではありません。
「自分もこの人と一緒にいて心地よいか」
「自然体で話せる相手だろうか」
「お互いを尊重しながら付き合っていけそうか」
そんな視点も持ってみましょう。
婚活は、相手に選んでもらうだけの活動ではありません。自分も結婚相手を選んでいく活動なのです。
ここで一つ、誤解してほしくないことがあります。
自然体でいるというのは、何でも思ったまま口にしたり、自分の好きなように振る舞ったりすることではありません。
例えば、
「僕はこういうタイプだから、合わせてください」
「自分はこれが好きなので、相手にも理解してほしい」
これでは、自然体というより自分本位になってしまいます。
結婚生活では、お互いに違う考え方や生活習慣を持った二人が、一緒に暮らしていくことになります。
だからこそ、
自分の気持ちを伝える
相手の気持ちも聞く
違いがあれば話し合う
お互いに歩み寄れるところを探す
このバランスが大切です。
自分らしさを大切にしながら、相手のことも大切にする。
それが、自然体で長く付き合っていける関係につながります。
次のお見合いやデートでは、次の3つを意識してみてください。
趣味、休日の過ごし方、好きな食べ物など、何でも構いません。
相手に合わせるだけでなく、自分のことも少しずつ伝えてみましょう。
食事やデートの場所を決めるとき、自分の希望を一つ伝えてみましょう。
「僕はイタリアンが好きなので、よかったらどうですか?」
そんな一言で十分です。
デートの後に、こんなことを振り返ってみてください。
自然に会話ができたかな?
無理をして相手に合わせすぎなかったかな?
自分のことも話せたかな?
一緒にいて心地よかったかな?
相手からどう評価されたかだけでなく、自分がどう感じたかも大切にしましょう。
婚活をしていると、「どうすれば相手に好かれるだろう」と考えることが多くなると思います。
もちろん、相手に好印象を持ってもらうための努力は必要です。
身だしなみを整えること、相手の話を聞くこと、気遣いをすること。どれも大切なことです。
でも、相手に好かれようとするあまり、本当の自分を出せなくなってしまっては、結婚相手を探すという本来の目的から離れてしまいます。
お見合いで好印象だったとしても、仮交際に進んでからずっと無理をしていたら、疲れてしまいますよね。
結婚は、何十年という長い時間を一緒に過ごしていくものです。
いつも格好をつけている必要はありません。
いつも相手の希望に合わせる必要もありません。
自分の弱いところや苦手なことを、少しずつ伝えていってもいいのです。
そして、相手にも自分らしくいてもらえるような関係を目指していきましょう。
私たちが会員の婚活をサポートするときにも、単に「どうすればお見合いが成立するか」「どうすれば交際が続くか」だけではなく、その人が無理をせず、自分らしく結婚生活を送れる相手と出会えるかということを大切にしています。
婚活は、相手に合わせて自分を変える競争ではありません。
お互いのことを知り、違いを認め合い、二人にとって心地よい関係を作っていくことです。
無理をして好かれるより、自然体の自分を好きになってくれる人と出会う。
そんな婚活を目指していきましょう。
自己一致とは、自分の本当の気持ちや考えと、実際の言動が一致している状態のことです。
婚活で意識したいポイントは3つ。
自分の気持ちに正直になる:無理に自分をよく見せない
相手との違いを受け入れる:何でも合わせるのではなく、お互いを知る
自分の希望も伝える:相手を尊重しながら、自分のことも大切にする
結婚相手に求めたいのは、いつも格好よく見せなければならない相手ではなく、安心して自然体でいられる相手ではないでしょうか。
そして、自分自身も相手にとって、そんな存在になれたら素敵ですね。
無理をしない関係こそ、長く続く関係の土台になります。